乳がんの約7割が女性ホルモンの影響を受けて増殖すると言われています。そのため、この女性ホルモンの分泌を低下させたり、働きを阻止すれば、その影響を防ぐ事ができると考えられています。また、乳がん細胞に女性ホルモン受容体があるかないかは乳がんの手術や、針生検で採取した組織を調べる事によって分かります。
女性ホルモン受容体にはエストロゲン受容体(ER)とプロゲステロン受容体(PR)があり、両方とも陽性(ホルモン受容体があること。)かどちらかが陽性の場合にホルモン療法を行います。これは主に術後の補助療法として行いますが、がんを縮小させる為に手術前に行う事もあります。
通常、ホルモン療法は5年間行います。ホルモン治療中は、女性ホルモンの分泌を低下させたり、抑える事になりますので妊娠・出産は出来ません。また、30歳以降でのホルモン療法開始は治療終了後の年齢によっては高齢出産になったり、そのまま月経が止まってしまう事などもありますので、ホルモン治療を受ける方で妊娠をしたいと考えている人は、一度医師とご相談されたほうがいいと思います。
『抗がん剤』と呼ばれているお薬をつかった治療です。『抗がん剤』とは、がん細胞のDNAやたんぱく質の性質を変えたり、がん細胞の細胞分裂を妨害したりするお薬です。化学療法には手術前に抗がん剤を行う『術前化学療法』と、再発・転移を防ぐ為に手術後に行う『術後化学療法』、そして進行した乳がんに使う方法などがあります。また、乳がんは抗がん剤が効きやすいがんと言われています。
しかし、抗がん剤は、がん細胞を死滅させるのに非常に効果的ですが同時に、正常細胞にもダメージを与えてしまうという欠点があります。その為、正常細胞へのダメージを可能な限り減らし、がん細胞を死滅させる為に2~3種類の抗がん剤を組み合わせて用いる『多剤併用療法』が行われます。
抗がん剤には注射薬と内服薬があります。主に、血中の濃度をコントロールしやすい静脈への点滴を中心にして行われます。また、抗がん剤の投与は通常3週間に1回、4週間に2回など一定の間隔をあけて行います。
副作用は抗がん剤の種類によって異なりますし、個人差もありますが一般的に起こりやすいものには下記があります。