乳がんの種類
■ 原則的に転移しない“非浸潤型”と転移の可能性がある“浸潤型”
乳がんは大きく分けると“非浸潤がん”“浸潤がん”“パジェット病”の3種類あります。
その中でも、乳がん全体の過半数を超えるものが“浸潤がん”です。何故、浸潤がんなのか。それは
日本における乳がん検診の受診率の低さ、マンモグラフィーを使った乳がん検診の普及の遅さによって
浸潤する前の“非浸潤”の状態では発見する事が難しいからです。
乳がんを疑って病院を受診する時のきっかけの殆どが“乳房にしこりがある”事によりますが
“しこり”があるということはすなわち、がん細胞が乳管を破って浸潤しているという事です。
このことからも、30歳を超えたら定期的に乳がん検診を受ける事がとても大切だということが分かります。
■ 非浸潤がんとは
周囲の健常な組織に浸潤せず、転移もしないおとなしいがん。乳管や小葉にがん細胞が発生したものの、それらを覆っている膜(基底膜)から外の組織には達していないものを非浸潤がんといいます。
この状態で発見できれば90%以上の生存率が期待できます。
さらに非浸潤がんには「非浸潤性乳管がん」と「非浸潤性小葉がん」にわかれています。
「非浸潤性乳管がん」
乳管がんのうち、まだ基底膜を超えていないもの。原則として転移はしませんが、乳腺の中で広範囲に広がっている事がおおく、乳房切除術をしなければならない場合が少なくありません。
「非浸潤性小葉がん」
小葉に発生したがんのうち、まだ基底膜を越えていないもの。しこりを作らず、石灰化も起こさないので別の乳がんを切除したときに偶然発見される事も多くあります。発生頻度は稀で、乳がん全体の約0.1%程度です。
■ 浸潤がんとは
がん細胞が増殖して、周囲の健常な組織にしみこむように広がっていくがん。乳管や小葉を包んでいる基底膜を破り、周りの組織に広がった状態のこと。リンパ管や静脈に入り込んで遠隔転移を起こす可能性があります。
「乳頭腺管がん」
乳頭状(ポリープ状)のがん細胞が管腔(空洞)をつくりながら周囲に散らばっていくのが特徴。乳管内を広範囲に広がっていく事が多いもののリンパ節転移は起こしにくく、一般に予後は良好。乳がん全体の30%を占めています。
「充実腺管がん」
塊として大きくなっていくタイプ。がんが周囲を圧迫しながら乳管の中を広がっていく。増殖、転移のスピードは乳頭腺管がんと硬がんの中間ぐらい。全体の20%を占めています。
「硬がん」
このがんはしこりとならずに乳管の外側にばらばらとまかれたように発育し、早い時期から周囲に浸潤していくタイプで、増殖、転移が早くややたちが悪い。しかし、このがんが乳がん全体の30%以上を占めています。
「特殊型」
特殊型には下記のようなものがあります。
- 粘液がん
乳がん全体の4%程度。粘液を作る性質を持ち、しこりの大部分が粘液で満たされ、癌細胞は粘液の中に浮いたように存在します。転移を起こす確立は少ないと言われています。
- 浸潤性小葉がん
小葉に発生したがんのうち、広がり、転移し始めたもの。乳がん全体の4%程度。塊を作らずに他の組織に入り込むためしこりを作りにくい。反対側の乳房にもできやすく、遠隔転移を起こす事もある。多発しやすいので乳房温存術を行う場合は慎重に。
- 髄様がん
太い乳管の部分から発生します。癌細胞は大きいものの乳管の中で膜に包まれている為浸潤しにくく、リンパ節転移も少ないと言われています。乳がん全体の1%程度。
- 炎症性乳がん
乳房が赤く腫れて痒くなったり熱を持ち、皮膚の表面がブツブツとオレンジの皮のようになるがんです。これはがん細胞が皮膚のリンパ管をふさぐことから生じます。乳がんの症状として、痛みは殆どありませんがこの炎症性乳がんだけは別で、痛みを伴う場合があります。わきの下のリンパ節に転移する事が多く、他の乳がんと比べると進行が早く、予後が悪いがんです。乳がん全体の1%程度。
※炎症性乳がんは厳密には上記分類には属さないもので、乳房の広範囲、もしくは全域に認められる発赤、腫脹、疼痛などを認める
状態に対する臨床診断名であり、その組織型の80%以上は硬癌なのだそうです。
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